殯の森(もがりのもり)

夫が借りてきたDVD。河瀬直美監督作品。日仏合作映画。夫は熱心に見て、私は片手間に見た。ずいぶん以前、この監督の以前の作品「萌の朱雀」が何か大きな賞を受賞して間もない頃、その映画のメイキングのような番組(メイキングとは別物だったのかも。三船美佳さんが出演していた記憶がある。「万華鏡」という別のドキュメンタリー作品だったのかも。)を見たことがある。そのとき夫は「こういう作風はあまり好きじゃない。」と断言していた。今回この作品を見るにあたり、当時のことを憶えているかと尋ねたら、全く憶えていないという。
列車に乗った男」「髪結いの亭主」とフランス映画を続けて見た夫は、「こういう映画にオチを求めてはいけないということがよくわかった。」「オチはないけど格調の高さはあることがわかった。」「どこから探してきたんか知らんが、殯(もがり)じゃことの、ようまあ、そんな言葉を見つけてきたなあ。また、森との組み合わせが、これ以外ありえんじゃろう。殯の山でもだめだし、殯の林でもだめだし。」と、なかなかに肯定的。そこはかとなく、夫の成長を感じる。