間違い連絡網

数年前、私の携帯電話あてに、隣県の都市の市外局番のいくつかの番号から、数件の留守番電話メッセージが入っていたことがある。
どれも、「このたびはうちの子がたいへんなことをしてすみません」という、「うちの子」の親らしい人からの謝罪電話だった。どこかの小学校の、とあるクラスの連絡網の、誰かの携帯電話番号が、絶妙に私の番号とよく似ていて、印刷するときに間違えられたのか、かける人の何割かが揃って間違えられたのか。
どうしたものかと考えていたら、また、別の、でも同じ市外局番から電話がかかってきた。私が「はい」と出ると、いきなり「何年何組の誰々の母ですが、このたびは、うちの子がご迷惑をおかけしてすみません」と、いっきに言われる。そこでようやく、「あの、こちらの番号は、これこれで、そちらの都市とは離れたところに住んでいる者なんです。実は、今日、他にも同じ市外局番からの留守番電話メッセージが数件入っていたのですが、皆様おなじ相手の方にかけたつもりでいらっしゃるようでした。もしかすると、学校の連絡網のミスプリントかもしれませんので、皆様で、今一度、番号を確認してみていただけますでしょうか」と話した。相手の方は、非常に恐縮なさりながら、学校にも他の方々にも伝えてくださるということだった。
その学校で何があったのか、その問題がどのように解決したのかは、全然わからないけれど、とりあえず、連絡網番号に関しては、無事に解決されたらしく、その局番からの間違い電話はなくなった。よかった。