交渉人

先週、夫が一人で見に行った映画。帰宅してから、映画館でもらったチラシの写真を見せてくれながら、「誰が犯人だと思う?」と、夫が私に訊く。


「いきなりそんなこと訊かれても、だいたい、どういう事件なの?」
「うーん、バレん程度に言うなら、ハイジャック、かな」
「どういう経緯でのどんなハイジャックなの?」
「それを言ったらバレるから言えない」
「ふうん。じゃあ、なんにもわからんし、誰が何の役かもわからんけど、とりあえず、下段真ん中に大きめに写ってるから、この人(反町隆史さん)」
「ふふん。まあ、順当やな。でも違う。真犯人は誰でしょう」
「そうなんだ。じゃあね、それじゃあ、今度は、この人(陣内孝則さん)にする」
「うわ、主人公の上司が犯人て、それじゃあ、話に無理が出ますんで、勘弁してください」
「そうなん? そうか。脚本家の人も、お話転がすのたいへんじゃもんね。映画だと時間も制限あるしね。じゃあね、思い切って、この人(米倉涼子さん)。上の段の真ん中におってじゃけん、主人公なんじゃろ。主人公が真犯人にしてみる」
「うわああ。もう、ぜんっぜん、だめ」


という夫婦の会話が、これからこの映画を見ようとしている人にとって、忌むべき「ネタバレ」になっていないことを願いつつ。