すっかりアップルパイ

パイを焼くことが、こんなに日常的なものになるとは、自分でも意外な展開ではあるものの、この自由自在感はたいへんに気持ちが良い。昨日も、アップルパイ食べたいなあ、と思いついたから、その場で、冷凍パイシートを解凍して、リンゴジャムをのせて包んで、予熱あり、二百度、十五分のオーブン加熱。はっふほふと、焼き立てアップルパイをほおばって、その自由を存分に満喫。
先日、実家の母と電話で話したときに、母が「みそ記を見て、自分もアップルパイを焼くつもりになっている。自分はアップルパイが好きなのだ」と言う。私はアップルパイが好きなことは自分のことだから知っていたけれど、母もアップルパイが好きだとは今回初めて知った。
母もアップルパイが好きだとは知らなかった、と私が言うと、「好きだけど、買って食べると、すごくおいしいときもあるけれど、たいていは、甘すぎるか、パイがサクサクしてなくてパンみたいで、求めているものと違うのだ」と言う。そうそう、そうだよね、と共感して、その点、自分で作ると、リンゴジャムの種類や量で甘さやいろいろ自分好みに加減できるのがいいよ、と、先輩ぶって語る。
きっと、紅玉など加熱に適したリンゴの季節には、生の紅玉をスライスして、パイシートの上にのせて、そのままオーブンで焼くと、フレッシュな食感のアップルパイが味わえるんだろうな。シナモンパウダーはお好みで。
去年の秋に、飛騨高山に行ったとき、朝市のリンゴ屋さんが、紅玉をたくさん売っていた。リンゴ屋のおばあちゃんは「フライパンにバターを溶かして、薄く切ったリンゴを焼いて、朝ごはんに食べるとおいしいのよ」と教えてくださったのだけれども、そのときには、まだ、私の生活に自作アップルパイはなかったので、自分がそんな手間なことをするとは思えない、と判断して買わずに帰ってきた。しかし、今度紅玉の時期に飛騨高山へ行ったときには、ちゃんとパイ用に紅玉をいくつか買って帰ろうと思う。飛騨高山へ行かなくても、紅玉を買って生りんごのパイを焼いて食べる決意。