スクガラス豆腐

沖縄旅記録4日目(4月29日)分。

前夜までの「ぴーぷー」強風がおさまる。とは言うものの、暑くはなく、海水浴欲は湧かない。むしろ寒い。あまりの寒さに起床後熱いシャワーを浴びて温まる。

この日は、2連泊した大型ホテルをチェックアウトして、別の小規模ホテルに引越しする。引越し先にチェックインする前に、「美ら海水族館」観光にいきましょう、ということにする。でもお腹がすいた状態で水族館に入ると、魚達がひたすらおいしそうに見えて仕方がないだろうから、お腹をいっぱいにしてから行こう。では、と、水族館までの道中の途中の山の手にある小さな食堂に立ち寄る。特製手作りの「ジーマミー豆腐(ピーナツ豆腐)」。海ぶどう。琉美豚定食(トンカツ定食)。魚バター焼き定食(魚はクチナジ=イソフエフキ)。

お腹いっぱいで訪れたおかげで、水族館では落ち着いて魚達を見物できる。魚を見尽くしたあとは、バンドウイルカとオキクジラのショーを見物。見物開始前に「ブルーシールアイスクリーム」のバニラと紅芋を食べる。ショー出演のみなさんは、水の中の人も水の外の人も、人間もそれ以外の生き物も、とてもよく訓練されていて、只者ではない芸を披露し続けてくれる。特に芸歴26年のオキクジラさんは、その技に誇りすら漂わせている。明らかにプロの技だ。多くの人々を感嘆の渦に巻き込むその芸は、人と動物の壮大な奇跡のコラボレーションだ。

この日から2連泊する宿は、4月中は「うりずんプラン」という宿泊プラン実施中で、通常ツイン一部屋素泊まり7500円のところが6000円で宿泊できる。うりずん、とは、琉球の言葉で4月を意味するみたいだ。朝食は前日までの予約制で一食500円。夫は宿の朝食券を購入するが、私は部屋で紅芋タルトや田芋パイなどで朝食とすることにする。部屋は広めで見晴らしよく快適。夕食はホテル併設の居酒屋を利用する(もちろん、よそに外食に出かけてもよい)(ここの居酒屋が朝は朝食レストランとなる)。チェックインのときにもらったウェルカムドリンクチケットで、うっちん茶(うこん茶)をいただき、二杯目はアセロラジュースを。夫はオリオン生ビール。空気が乾燥しているからビールがおいしい、そうだ。食事前にコインランドリーで洗濯をしておき、食事中に乾燥機にかけておく。食事メニューはステーキ定食(沖縄ではステーキメニューをよく見かける。ただしここのステーキはとても硬く食べづらかった。)、島ラッキョウスクガラス豆腐(小さな魚の塩漬けを冷奴にのせたもの)、トーフヨウ(豆腐を発酵させてチーズ様にしたもの。表面はやや橙色。)、ソーメンチャンプルー。スクガラス豆腐とトーフヨウが出てきた途端に、食卓にショウジョウバエ的何かが押し寄せてくる。あちこちのメニューで見ては気になっていたが、これで二人とも納得した。食事を終えて部屋に戻ると、夫は食後のうたた寝を始める。そしてそのまま夜中まで眠り続ける。私は洗濯物を乾燥機のところまでとりに行き、あとほんの少しだけ乾ききっていないかんじ(かといってもう30分乾燥のために100円払うほどではないかんじ)を乾かすために、室内のあちこちに吊るしたり広げたりする。ユニットバスのバスタブにお湯をためて入浴すると、ほうっと温まる感覚が心地よい。それほどに日々涼しく肌寒い。夜もふけて寝ましょうかね、と思い部屋の電気を消しかけたら、夫が「おきた!」と言って目を覚ました。じゃあ、電気つけておくから、あと寝るときに消してね、とお願いして先に就寝。私が先に寝てる間に、夫は歯磨きしたりシャワーを浴びたりテレビを見たりして過ごした後で、再びお眠りになったらしい。