元果樹園内農道

五月二日のお昼ご飯に蒟蒻と蕎麦を食べた後、宿に帰る前に、夫と一緒に立ち寄ったところがあった。私が午前中に歩いて登った展望台と、私一人の時には行かなかった葉山神社。
私が歩いたクアオルト葉山コースを車で、ごるごると、登って行く。夫が「みそきち、ほんとうにここを歩いたのか」と何度も聞く。歩いたときよりも、車に乗っているほうが、山道の勾配をより急なものに感じる。
展望台からの眺めを夫に自慢して、夫が「これは見応えあるなあ」と感心して、でも私の周りには、またすぐに虫たちが寄ってきて、夫を展望台に置いたまま、先に車の中に戻って避難。ゆっくりと景色を堪能してから車に戻ってきた夫が、「ほら、な、みそきちは、やっぱり虫と仲間」と言う。
展望台から少しだけ移動したところにある葉山神社でも、私だけがまた虫に囲まれる。夫は「みそきちと一緒にいたら、虫除けって要らんよなあ」と快適そうだ。
葉山神社からは、私が歩かなかったコースの左半分の坂道を車で下りていったつもりだったのだが、どうやら道を間違えたらしく、コースとは別の、元果樹園内農道のようなところの厳しめの坂道を延々と下り続ける。夫が「ぜったい、これはクアオルトコースじゃない。健康にいいとは思えない。こんなところ歩いたら、年寄り死ぬって」と言う。でもまあ、ずんずん下っているということは、そのうち大きな道に出るだろうし、大丈夫だよ、きっと帰れるよ、と、話しながら運転する。
ほおら、ね、ちゃんと大きな道に出たでしょ、と、出たところは、ずいぶんと宿から離れたところで、遠回りしていっぱいドライブ愉しめてよかったね、シビックくん今日もありがとう、だった。