レイクサイドマーダーケース

夫が借りてきたDVD。夫が一人で見た。私は以前ケーブルテレビで、断片断片で、たぶん四回くらい見ているのだけれど、この作品は断片で見たのではおはなしにならない。「断片で見ながら、これは、本腰入れて見ないとお話がわからないタイプの作品だなあ、と思っていた」と話したら、夫が、「そのとおり。本腰が要った」と言う。本腰は要ったけど、「おもしろかった」そうだ。
レクサイドマーダーケースは、ターミネーターとあわせて、夫が借りてきたもの。私が仕事から帰ってきて、夕ご飯に焼き鳥を食べに出かけるときに、夫が、「ご飯の前に、DVD返したいから、レンタル屋さんに寄ってほしい」と言うので、そのつもりで車の運転を始めた。けれど、そのつもりだったのに、私が車を向けた方向は、レンタルビデオ屋さんと反対方向(焼き鳥屋さんの方向)。すかさず夫が、「あ! 返却!」とつぶやいて、私は、「あらら、そのつもりだったのに、運転手さん、忘れてたみたいやね。大丈夫。この先で引き返して行くから」と応える。すると夫が、「それが、しまったー、なんじゃけど、返すDVDを持ってくるのを忘れたけん、家に取りに帰らんといけん」と言う。「それなら、いったん家に寄るけん取ってきたら」と私が言うと、夫は、「言いにくいんじゃけど、家の鍵も持ってくるの忘れたけん、みそきちの鍵貸して」と続けて言う。「そんなの、全然、別に、しまったー、でも、言いにくいことでも、なんでもないじゃん。そんなことで、私は、動揺したり怒ったりなんかせんじゃん」と、私はよく言うのだけれど、夫は、私にとっては「しょっちゅう」と思える頻度で、「しまったー!」という言葉を使う。私の言語感覚では、「しまったー!」は、もっと、過失性の高いときに、たまに用いるものなのだけど、夫が「しまったー!」を用いる頻度は、私が「おっとっと」や「よいしょっと」を用いる頻度と同等に頻繁だ。