休日のアップルパイ

生きていると、ときどき、「アップルパイ」欲が、突き上げてくることがある。昨年末に冷凍パイシートを使いこなせる段階に成長した私は、アップルパイを食べたくなったら迷わず作る、ということができるようになった(これまでは、それっぽいものを買ってきて食べていた)。しかし相変わらず、作る過程において手間がかかる(私の基準で)ことには手を出さない、という基本姿勢を貫いて生きているため、省略できることはできるだけ省略する手法で作る。


冷凍パイシートを一枚、お皿の上にのせて、十五分弱、解凍する。
解凍されたパイシートをスプーンの背か指先でなんとなく、うにうにと、ひろげる感じで伸ばす(麺棒を使いたくないため)。ひろげ具合としては、元の面積の二割り増し程度か。薄いパイにしたいときには広く伸ばすとよいであろう。ひろげず、解凍しただけそのままのサイズで作ってもいいけれど、パイの厚みが若干厚くなり、それもまたサクサクとしておいしい。
フォークの先でパイシートにぶちぶちと穴を開けておく。なんとなく全体的にまんべんなく、でよしとする。
パイシートの片側半分に、市販のリンゴジャムをのせる。量は五十グラムから六十グラムくらいか。小瓶入りの三分の一から五分の二程度の量。なんとなく、これくらいがパイシートからはみ出さなくてちょうどいいかな、でもこれくらいはリンゴ食べたいな、の両方をかなえる量。
パイシートの片側が蓋になるように、中央で折り曲げる。長方形だったパイシートが正方形に近い形になるように。
パイシートの上側と下側をくっつけるようなかんじで、パイシートの端(各辺)をスプーンの背か、フォークの背か、指の平で、押さえる。餃子などの端をくっつける要領か。
卵黄を溶いたものを使う気になるときには、パイシートの端に塗ってからパイシートを折り曲げて重ねると、接着剤として働いてくれる。
端を閉じ終えたパイの表面全体に、溶いた卵黄を塗ってから焼くと、パイっぽい色合いとつやを演出することができる。
今回は卵黄なしで作成。
オーブンを予熱あり190℃15分に設定。予熱終了の合図の音が鳴ったら、耐熱皿ごとパイをオーブンに入れて加熱開始。オーブンの加熱は、200℃13分でも190℃20分でも、仕上がりにそれほど大きな問題はない。オーブンの機種やその日の気温によってもたぶん多少の差があるから、何度か焼いてみるうちに好みの加減に出会えるよう、一期一会にかける。
加熱終了したら、取り出して、あつあつを、はふっほふっと、食べる。
満足。
大きなパイを作りたいときには、パイシートを二枚使い、一枚は下側に、もう一枚を上側(蓋)にして、四辺を合わせて閉じる。このときのリンゴジャムの量は、そのぶん多めに。
あるいは、パイシートの一枚は下側に、もう一枚は細長く帯状に切ってリンゴの上に格子状になるように置くと、焼き上がりの隙間からリンゴが見えて、見た目がさらにアップルパイっぽいが、このへんはお好みで。
次回はリンゴジャムと一緒にレーズンも一緒に包んで焼いて食べたい。