初ハルミとムッキーちゃん

土曜日に宿泊した海鮮料理民宿旅館で夕食のデザートに供された柑橘の名前が「はるみ」。色合いは文旦のような鮮やかな明るい黄色。形状と果皮の感触はハッサクとデコポンの間くらいで、大きさはミカンやポンカンくらい。

おいしそうだとは思ったけれど、民宿の食事の後はあまりにも満腹すぎて、とても食べることができず、とりあえず、部屋に持ち帰って卓上に飾って鑑賞。翌朝の朝食前に余裕があれば食べようかと思ったけれども、それもかなわず、自宅に連れ帰ってきた。

今日になって、ようやくお腹に、ハルミを食べる余裕ができて、うきうきと皮を剥く。小さな柑橘だから、片手で簡単に外の皮をむけるだろうと思ったけれど、小さくても皮の丈夫さは文旦やハッサクなどに似ていて、親指の指先が全然入っていかない。

こんなときに活躍するのが「ムッキーちゃん」。柑橘の外側の皮をむく鋭利なプラスチック部分と、柑橘の内袋ひとつひとつを開封する安全な刃物の部分とで構成された小さな道具。見た目や名前の可愛らしさとは裏腹に、その仕事ぶりはただごとでないすばらしさ。そのため我が家では敬意を込めて「むっきーさん」と呼ぶ。

さて、そのむっきーさんを取り出して、ハルミの皮に十字に切れ目を入れる。切れ目が交差したところに親指の先を挿し込むと、もう、簡単にむける。果皮の油分が爽やかなかぐわしさを放つ。

内側の実の、その白いスジ部分を簡単に取り除いて、内袋ごと一房口に入れる。酸味強すぎず、甘みがほどよく、味は文旦に似ているけれど、文旦よりも果肉がきめ細かくて繊細。内袋の皮も問題なく咀嚼して飲み込める柔らかさ。文旦のように大きな種も入っていないからそのまま全部食べられる。ときどき小さな種は入っているけれど、とても小さいから出さずにそのまま噛んで飲み込む。

スーパーの店頭では、まだ、このハルミを見たことがない。たいへんおいしい柑橘だと思ったから、もしどこかで遭遇できたときには、ぜひとも購入したい。


追記。ムッキーちゃんの実物をご存知でない方は、参考までにこちらをどうぞ。
http://www.hands-net.jp/goods/11312-007004225