木のスプーンとビアジョッキ

五月四日午後。イチゴでお腹いっぱいになった状態で、会津若松に到着。まずは飯盛山近くで焼き物のビアジョッキを取り扱うお店へ。しかし、地図のとおりにたどり着いてみると、そこは焼き物販売店ではなく、取扱商品は漆器。おかしいなあ、焼き物屋さんがなくなって漆器屋さんに変身したのかな、と言いながら、とりあえず漆器店内を確認。
店内を一巡しても、やはり焼き物はない。しかし、木のスプーンを見つけて、カレーライスを食べる時くらいのサイズのものと、同じくらいのサイズで先が平たいものと、もう少し小ぶりで丸みのあるものの三種類を買い求める。しばらく前に、それまで愛用していた木のスプーンの先が擦り切れて、何かを食べる時に使うと口にあたったときに痛い状態になり、食事用から調味料や茶葉を取り出すとき用にしたところだったから、新しく食事用の木のスプーンと出会えてうれしい。スプーンを袋に入れてくださるときに、お店の方が「おまけの茶托もよかったら使ってくださいね」と言って、漆器の茶托を一枚入れてくださる。
漆器屋さんを出て、お店の前の道路を会津若松駅方向に向かったとき、目の前に焼き物の取扱店があることに気づく。漆器屋さんの斜め向かいにあたる位置。おお、こんなところに、と言いながらそのお店に入り、焼き物のビアジョッキをふたつ、紺色のものをひとつと、灰色のものをひとつ、買い求める。(自宅帰宅後に容量を計量してみたら約400ccであった。)きちんと珈琲や紅茶のためのマグカップも置いてはあるのだけど、それではわたしには容量が少なすぎるので、ビアカップをマグカップとして使用する。これで毎朝豆乳紅茶を飲むのが便利になるのがうれしいな。
焼き物を取り扱うお店は、焼き物以外の土産物も多種多様に取り扱っている。おみやげ用お菓子の中に、昨夜泊まった西山温泉のウェルカム菓子として食べて美味しかった「ごまみそせんべい」がある。職場のみんなへのおみやげはこれにしよう、と決めてそれを二箱購入。「せんべい」とはいっても、食べてみるとほのかに味噌の香りがする胡麻の味が濃いクッキーのようなかんじ。次の出勤日までまだ日にちがあるけれど、これなら日持ちがするのが助かる。
買いたかったものを買い揃えて、はあ、福島県でいっぱいお金を使ったな、という充実感を携えて、会津若松駅に向かう。駅の駐車場に車を停めて、駅の中の観光案内所に出向く。
「この近隣の宿泊施設の一覧をいただけますか」と係の人にお願いして、宿泊施設資料を一枚もらう。「それから、この近くに薬局かお薬屋さんがあれば名前と場所を教えてください」と頼むと、近隣道路地図を出してきてくださり、ここからこう歩いてこう行ったところにこういう名前の薬局があります、と案内してくださる。ありがとうございました、とお礼を伝えて車中に戻る。
駐車場の車の中から、まずは駅前の東横インに電話してみるが満室。連休中でもあることだし難しいかしら、と思いながら、では、と、部屋数の少ない地元の民宿風旅館に電話してみると、まったく問題なく空室あり。ただし事前予約ではないので食事の仕込みに間に合わないから素泊まりならば、ということ。もともと食事は外食するつもりで素泊まりを希望していたから「はい。素泊まりが希望なんです」と予約完了。チェックインは四時からとのことだけれども、車だけ宿の駐車場に先に停めてもいいですか、と訊くと「どうぞ」とのことなので、そのまま宿に向かう。
個人宅の庭先風の駐車場の一番奥に車を停めて、荷物は車の中に置いたまま、車の鍵だけ宿のフロントに預ける。それから、そろそろ食べたいと思っていたお蕎麦をどこかで食べよう、という計画の実行と、薬局での買い物を目指して歩き出す。
会津若松のはじまり、はじまり。