琵琶湖一周散歩第一回

今日は琵琶湖一周散歩の第一回目に出かけてきた。第二回目以降があるのかどうか、本当にあの大きな琵琶湖を一周するのかどうか、については未定であるが、とりあえず第一回目、ということで。
昨夜お布団に入った時に、『明日は琵琶湖に行きたいな』と思ったから、「琵琶湖、琵琶湖、琵琶湖、琵琶湖」と寝っ転がって四回唱えた。この実現したいイメージのキーワードを唱える行為は、琵琶湖に限らず、自分が実現したいことに関して、自分の脳にその気になってもらって脳と身体の協力を得て、より円滑に体調良く実現化を引き寄せる方法としてなかなかに実用的で便利だ。自分がその言葉を思うだけでなく音声にするかどうかで、自分がそのことを望み臨む本気度合いや真意やしかるべき時期やタイミングを見極める目安としても使える。もちろん「書く」というのも力があるのだけれども、声に出してお腹の底からつぶやく力もそれはそれで力が大きい。
そういうわけで、昨夜は「琵琶湖」と四度唱えて、「ちょうどいいお天気だといいね」と自分に声をかけてから眠った。
本日は快晴。快晴ではあるが、暑い。散歩に適した天候であってほしいとは思ったけれども、気温が高温であることは望んでいなかったのだが、そのへんの願い方のツメが甘かったか。
晴れていて暑いけれど、もう、脳がすっかり琵琶湖気分になっている。一応、涼しくなってからの延期案も自分に対して提示してはみたけれど、やはり寝る前に四度も唱えたことは実現化速度が早くて、なぜだかどうしても行くことに。
駅の改札口でサマーコットンマフラーを首から落としたらしく、駅員さんに「お客様、何か落ちましたよ」と拾って呼び止めてもらい、ああ、もう、電車にぎりぎりで間に合わない、と思ったのに、階段を駆け登ったところにいる車掌さんに「乗りますー!」と手を振ったら、車両のドアを開けてもらえて(エアコンのききをよくするために、列車のドアはドアごとに乗客や乗務員が開閉ボタンで開けたり閉めたりするようになっていた)乗ったらすぐに出発した。ああ、間に合ってしまった。間に合わなければ帰ろうと思ったのに、実現化が動き出したことというのは、かように実現する方向へ方向へと事が運ぶ。
北陸本線普通列車に乗るのは初めての体験。特急「サンダーバード」や「雷鳥」や「しらさぎ」には乗ったことがあるけれど、今日はのんびり普通列車。乗車率は最初七割くらいで、後半は五割以下から三割程度。
敦賀駅に着いたら、網干行きの新快速に乗り換える。新快速だけど、近江舞子までは各駅停車での運行。乗り継ぎ時間が三十分近くあるから、列車の中で書いた葉書を投函してきたいな、と思って、一度改札を出ようとするけれど、駅員さんが「こちらの切符では途中下車できないんですよ。何かお急ぎの用事でいらっしゃいますか」と訊かれる。「駅前にポストがあれば郵便物を出したいと思ったのですが」と伝えると、「ああ、すみません、ここの駅前にはポストがないんですよ」と教えてくださる。そうですか、それでは、と、駅のホームに戻って待合室で待つことにする。
改札からホームまで移動する地下道に貼ってあるいろんなポスターを見ては、おお、大阪から鹿児島までそんな短時間で行けるなら、それはたしかに自由だなあ、と、九州新幹線の活躍に感心する。
ホームの待合室はガラス張りでエアコンがきいていて涼しい。今日はどれくらい歩けるかなあ、と思いながら地図を開いて眺める。
新快速に乗って、近江塩津駅で下車。ホームから改札に降りる階段が、なんだか妙に細くて長い。
改札を出たところに、おうどんとおにぎりを販売している場所がある。椅子とテーブルが用意されていてそこで食べることができる。こんな施設があるのなら、お弁当は持って来ずにおにぎりを買ってもいいな、と思う。けれど、今日は、お弁当用にあんドーナツ(昨日のうちに近所のおいしいパン屋さんで買っておいた)を持ってきているから、それを食べる。おにぎりはまた今度。おうどんにはトッピングに「よもぎ餅」がのっているらしい。こちらも空腹時には、ネギ抜きで注文して、食べてみたいな。
駅にはレンタサイクルが豊富に用意されていて、ああ、歩きもいいけど自転車もいいな、と思う。でも、今日は歩くつもりで来たから、徒歩で。でも、今後の琵琶湖一週散歩は、歩きだけでなく、自転車やバス移動も織りまぜつつ行いたいと思う。自転車やバスを使ったのでは散歩ではないではないか、かもしれないけれど、私が自分で散歩だと思えばそれでいいのだ。
駅から出ると、すぐそこにポストがある。わーい、よかったー、と思いつつ葉書を投函。
そこから帽子をかぶって日傘をさして歩道を歩く。一応歩道はあるけれど、国道8号線沿いのせいか、大きなトラックがたくさん走っていて風圧で日傘があおられる。
途中スクールゾーンが一部あり、八号線から離れてそちらをゆったりと歩く。民家と小学校の間を通り抜ける。気温が高くて日差しがまぶしてくアブラゼミの鳴き声も聞こえて、暑いよう暑いよう、と思いながら歩いているけれど、民家の庭先の柿の木の実はもう色づいて地面に落ちていて、ざくろの実がなっていて、稲刈りがはかどっていて、なんだか景色はすっかり秋。
てくてくてくてく、どれくらいだろうか、2kmか、3kmはないな、というくらいの距離を歩いたところにある道の駅に立ち寄る。「奥びわ湖水の駅(道の駅塩津海道あぢかまの里)」。
建物の中の物産品売り場には、名物の「でっちようかん」が売られている。でっちようかんは、薄く伸ばした羊羹を竹の皮で包んであるのを、竹の皮ごと数センチに切って食べる。竹の皮をべろんとむいてから切ってもいいし、切らずにそのまままるかぶりしたこともある。
販売所には他にも鯖寿司やういろうや農産物などいろいろ置いてある。でっちようかんファンとしては、生産者が異なるでっちようかん三種類を買って食べ比べしてみたいな、と思うが、まあ、まずはお弁当のあんドーナツを食べましょう、と思う。
そうそう、道の駅のスタンプをスタンプ好きの夫へのお土産に押して帰ろう。びわ湖一周ウォーキングの台紙用の小さなスタンプと、それとは別にびわ湖道の駅一周スタンプラリーの台紙とスタンプもあったから、それももらって大きなスタンプを押す。
建物の外のテーブルと椅子のところであんドーナツを食べる。ランチョンマット代わりのてぬぐいをテーブルに広げて、あんドーナツを置いて、両手を合わせて「いただきます」。飲み物は持参のOS-1経口補水液)。持参の飲み物を最初は炭酸水(糖分など何も入っていないただ発泡しているミネラルウォーター)にしようかと思ったけれど、なんとなくOS-1のほうがよいような気がして、出かける直前にそちらに変えた。
今日の気候の中を歩くのであれば、たしかにOS-1を少しずつ摂取しながら、というのは正解なのだけど、OS-1とあんドーナツは非常に合わない。飲み物を自動販売機で買って飲めばよいのだけれども、体が求めるのは絶対的にOS-1。なんだかなあ、と思いつつも、仕方ないからOS-1とあんドーナツで。
お手洗いに行って、洗面所で手を洗ってうがいをして、さあ、さっきのでっちようかんを見ましょうかね、と思い、でっちようかんの前に立つ。すると自分の身体のありとあらゆるところから、「もうこれ以上、身体に小豆と砂糖を入れるでない!」という指令がかなりの大声で聞こえる(感じる)。それでもでっちようかんファンとしては、全種類を手にとって見る。これまで木ノ本駅の近くのお店で買ったことがあるでっちようかんは、日持ちがしなくて、その日か翌日のうちに食べきってくださいね、と説明されるけれど、そしてそれはとてもおいしいのだけれども、ここで売っているのは真空パックに入っていて、二週間くらいは日持ちがするようにしてある。これなら急いで食べなくてもよくていいじゃん、と思うけれど、身体が「だから小豆と砂糖はもう要らんと言っているであろうが!」と言うから、わかったわかった、今回はやめよう、また琵琶湖には来るからね、その時でいいよね、と、折り合いをつける。
再び道の駅の建物の外に出る。暑い。あと500mか700mくらい南に歩けば、琵琶湖が見えるはずなのだけど、これはなあ、ちょっと暑すぎるなあ、と考える。今日の気温は、きっと三十度を超えている。少なくとも今二十八度はあると思う。
当初の野望では、近江塩津駅から歩いて木ノ本駅まで、という案もあったのだけれども、今日この天候の中で、そんなことをしてはならない、そうする必要が私には全くない。ここはおとなしく近江塩津駅まで戻ろう。てくてくてくてく、暑い、眩しい、暑い、暑い。周辺の田んぼでは相変わらず稲刈りがはかどる。道の駅から近江塩津駅までは、私の足で三十分強くらいだったから、やはり二キロちょっとなのかな。
駅のレンタサイクルの案内を見ると、一日500円で電動アシスト付きの自転車が貸してもらえるとのこと。わあ、電動アシスト付き自転車乗ってみたい、乗ったことない、次回は自転車に決定。自転車を借りた駅に自転車を返せば500円で、別の駅で返したら乗り捨て料金300円を追加で支払う。自転車ならここの駅から木ノ本駅までも、もっと遠くも行けるかも。
しかし、私の希望としては、琵琶湖一周散歩において、徒歩は一日5km前後まで、自転車も7kmから10kmくらいまでにしたい。そういう意味では、今日の往復で5kmくらいなのは、結果的にちょうどよかった。
駅の人にお願いして、琵琶湖サイクリングマップをもらう。電車の発車時間まで40分以上あるけれど、本日の葉書第二弾を書くことにすると、40分くらいすぐに過ぎる。駅の食堂(うどんとおにぎりを売っているところ)が閉店して、テーブルと椅子だけが利用できる状態で置いてあるところで、ゆっくりと葉書を書く。持参のOS-1は500ml飲み干して、自動販売機で「いろはす(ミネラルウォーター)」を買って飲む。体中から汗がどーどーと出てくる。こんな気温の高い日に炎天下を歩くだなんて、熱射病に立候補するようなものだなあ、今度はやはり涼しい日で折り合いがつくように自分とよく話し合いたい。
ゆっくりと葉書を書き終えて、駅前のポストにまた投函する。電車が来る五分前にホームに向かうけれど、ホームが西日でまぶしくて暑そうで、手前の地下道に潜んで待つ。
新快速で敦賀まで移動したら、普通列車に乗り換える。また乗り換えに三十分くらいあるので、エアコン付き待合室で地図を広げて、今度はどのあたりをどんなふうに散歩しようかなあ、とあれこれ考える。
普通列車が来て乗る。最初は空いていたけれど、街中に向かうに従って、下校時間退社通勤時間帯ということもあり、やや混み気味になり、補助椅子の利用はお控えくださいの時間帯とのこと。都会の満員電車に比べれば全然混んでいないのだけれども、これくらい(座席がほぼ満席で立っている人が一両あたり十五人以上いる)だと、車内の酸素が薄い感があるなあ、往路は人が少なくて呼吸も快適だったんだけどなあ、次回は曜日や時間帯を考えるか、高速道路で車で往復するなど、いろいろ考えて試してみよう。
駅のスーパーで豆もやしと鶏肉と豚肉を買って、一日最大800円の駐車場に停めておいた車に乗って帰る。退勤時間ということもあり、道路も少々混み気味。
帰宅したらシャワーを浴びる。鶏肉と豚肉をそれぞれ竹串に刺して塩コショウしてガスコンロの魚焼きグリルで焼く。豆もやしとオクラと皮をむいて切った茄子を蒸し器で蒸す。その合間に洗濯物を取り込んで新しく洗いあがった洗濯物を干す。
夫が帰宅して夕食。どれもおいしく食べて満足したあと、夫が登山用に買い置きしているアミノバイタルの液体タイプを念の為に一本分けてと頼む。「OS-1を飲んだから、大丈夫だとは思うけど、念の為に、夜中にミネラルやアミノ酸を補給したほうがいい気分になったときのために、一本冷やしておこうと思って」と話すと、夫が「そう思った時には、そのときにはまだ筋肉がつらくなくても、すぐに飲んでおいたほうがいい」と言うから、「そうですか」と素直に従う。今夜から明日にかけて少しずつ飲んでおこうと思う。
ひたすら暑くてまぶしくて、紫外線が日傘から透けて入ってくるように感じるほどだったけれども、たのしかったから、よかった。また行きましょう、琵琶湖散歩。