おっぱいバレー

ケーブルテレビで見た映画。夫と二人で見た。
昭和五十四年頃の中学生バレーボール部ダメダメ男子部員たちが「試合に勝ったら顧問の先生(綾瀬はるかさん)のおっぱいを見せてもらえる」という謎の約束を取り付け、先生のおっぱいを見せてもらいたい、というまっすぐで純粋な欲望のためにそれはそれは熱心にバレーボールの練習に励み、なかなかに強いチームに成長していくおはなし。綾瀬はるかさんの教師としての成長も同時に描かれる。
街の風景や人々の装束など昭和五十四年ころをよく意識して構成されているのだが、主演の綾瀬はるかさんが着ているジャージがなんだか少し今風で、彼女だけ妙に髪の毛が明るい色合いで、彼女一人だけが未来から来た人のように感じる。これはなにか演出上の策略なのだろうか、それとも髪の毛の色については綾瀬さんの他の仕事との兼ね合いで真っ黒にすることが難しかったのだろうか、などと考える。以前綾瀬はるかさんがテレビドラマ「南極」だったか「南極物語」だったか「南極大陸」だったかに出演していたときにはずいぶんと思い切って髪の毛をしっかりと黒くしてあって、そのドラマ主演の木村拓哉さんの髪の毛の色の薄くて明るいのが気になるのに比べると綾瀬さんの髪の色は気にならなくて安心だなあと感じたことを思い出す。当時何度か夫は続けてそのドラマを見ていて、その横でときどきテレビを目にした私が木村拓哉さんの髪の毛の色が薄いことが気になる、と言うと、夫は「彼も他の仕事との兼ね合いとかいろいろあるんやろうから、そのへんはまあ許したれや」と言っていた。
おっぱいバレーの中学校で綾瀬はるかさんの同僚教師を演じた俳優さんは、大河ドラマ龍馬伝」で後藤象二郎さんを演じた人だった。ああなんだか後藤さんにしてはぴちぴちしてらっしゃるなあと感じる。
映画が終わって最後の字幕を見ているときに私が「ああ、岡田さんだったんだ」と言ったら、夫が「なにが岡田さんなん?」と私に訊く。私は「脚本」と答える。すると夫はこれまで映画やドラマを見た時に脚本が誰によるものなのかを気にしたことが一度もない、と言う。
夫が映画やドラマのどんなところを気にしながら注目しながら視聴しているのかについて、私は彼のことをほとんどなんにも知らないんだなあ、彼も私が脚本が誰によるものなのかに注目しながら視聴しているということを初めて知ったということだなあ、お互いに知り合う余地がまだまだたくさんあるんだろうなあ。