ジュノJUNO

数週間前にケーブルテレビで見た映画。最初から最後まで見た。
JUNOは主人公の女の子の名前。
16歳(かな)の女の子が予定外の妊娠をする。出産後養子として迎えてくれる人を探しだす。郊外の大きな家に暮らす若夫婦に育ててもらうことになる。妊婦検診を終えるたびに、それ以外にも気が向くと、JUNOはお腹の子がどんなふうに育っているのかを若夫婦に知らせに行く。
かなりお腹が大きくなり、学校でもお腹が目立つようになった頃、JUNOが郊外まで運転して若夫婦の家を訪ねると、若夫婦の夫のほうだけが家にいて(彼は自宅で作曲する仕事なのでだいたい家にいる)「日本に行ったときに見つけて買ったんだ」とJUNOに一枚のイラストをプレゼントする。そのイラストのタイトルは「スーパー妊婦少女ユキ」(で合っているだろうか)。妊婦である少女(少女というよりは絵柄としては女性かなあ)が正義のヒロインとして活躍する漫画だという。しかしその絵柄は『日本の漫画家さんはそういう絵柄は描かないんだよなあ』ととっさに思うような、私にとっては『たいへんアメリカの漫画っぽい絵だなあ』と感じる絵柄で、ああ、これが日本の漫画という設定ではなくて、ガーナだとかバンダル・スリ・ブガワンだとか、その国で描かれる漫画の絵柄がどんなものなのか知らない国の作品という設定だったら私もこんなに気にならずに流せたのかなあ、でもまあやっぱり漫画といえば日本ということにしておけばいいよねというようなとりあえずそうしておこうという決まりごとがあるのかしら、と、そこだけがもにょもにょうにょうにょと気になる。しかしそのシーンはほんの数秒のこと。私がアメリカっぽい絵柄だと思ったイラストは本当はちゃんと日本の漫画風だったのかもしれない、あるいは日本の漫画家さんでもああいう絵柄を描く人が昨今は活躍しているのかもしれない、いやそもそも日本の漫画などとは一言も言っていないのかもしれない、などなどの想像を拡げれば、もにょもにょうにょうにょが軽くなってくるかも。わたし、がんばれるかも。
JUNOのお父さんを演じる俳優さんは、犯罪捜査ドラマ「クローザー」の上司の役の人。