特技豆ご飯

好物の食べ物の中でもかなり上位の食べ物である豆ご飯。豆ご飯ならいつまででも永遠に食べ続けられるのではないかと思うほどに好き。豆がおいしい季節には自宅でも何度となく炊いて食べる。お米に水を加えて塩と料理酒を混ぜ昆布を置いて豆を入れたら炊飯開始。グリンピースやウスイエンドウで作ると豆ご飯に(本当はブンドウマメを使いたいがなかなか手に入らない)、そら豆で作るとそら豆ご飯になる。
まいどおおきに食堂の春のメニューに豆ご飯がある。一度食べてみたいと思い最寄りのまいどおおきに食堂に電話して「春の豆ご飯はいつまでですか」と確認したところ「五月いっぱいまでです」とのこと。そうかそうかとホクホクした気持ちでお店に行き注文したら「豆ご飯は今日はもう終わりました」と言われ、そうか売り切れについては考慮していなかったと反省。今日はお店に入ってお盆を持った時点でお店の人に「今日はまだ豆ご飯ありますか」と尋ねた。「はい。まだあります」との応えを聞いて、豆ご飯に合うようにおかずを見立てる。鶏肉と里芋と筍の煮物、ひじき、おから、切り干し大根。夫はアジフライと野菜炒め。
まいどおおきに食堂の豆ご飯はおいしくて満足したが、数口食べた私が「豆ご飯だけに関して言ったら、私の作った豆ご飯のほうが勝ってるかも」と言うと夫も豆ご飯を咀嚼しながらコクコクコクコクと頷く。私が作る豆ご飯は豆ご飯好きの愛のようなものが大量にこもっていて材料を用意するときも炊飯器をしかけるときも豆ご飯を炊いている最中も炊き上がったご飯の上から昆布を引き上げるときもご飯と豆を均等に混ぜるときにもお茶碗によそうときにもずっと「おいしくなれー、おいしくなれー、おいしくなるー、おいしいぞー」という念が延々とふりかかる。炊飯器から豆ご飯た炊けるにおいがしている間は「くうっ、たまらんっ」と狂喜乱舞し豆ご飯に対する思いはいっそう強くなる。
まいどおおきに食堂の豆ご飯を炊くために食堂の従業員の人たちがいちいち狂喜乱舞しているとは思えない。できることなら落ち着いて豆ご飯を炊いてほしい。その他のいろんな料理も均等においしく仕上げるためには各料理に均等に平常心でフラットな愛を注ぐのがよいのだろう。
春の間もうしばらく豆ご飯三昧できるかな。