えんじ色のシャツと白衣

その日のことをその日の日付で書く習慣がなかったからなのか、その日のうちに書きのがしたことを書こうとする場合の話の展開はどうするといいのかしら、と考える。厳密にはその日の日付だけのことではなくその前後の日にも連続性があるようなときにはどの日付で書くとなめらかなのかしら。
先週の金曜日に勤務先で白衣を脱いだときだか着たときだかに「わわ、白衣の脇の下が赤い」と気づく。なんでだろう、と少し考えて、ああ、そういえば新しく買った着心地のよいえんじ色のシャツをこの白衣の下に着たことがあると気づく。
そのえんじ色のシャツは他の洗濯物とは別にソフト洗いをするつもりのもので衣類の洗濯表示にもそうしなさいと書いてある。それがどういう経緯なのかうっかりふつうの洗濯物と一緒に洗濯機に入れたらしい。洗濯物をしばらくつけ置き洗いして洗濯機をのぞいたら水の色が赤い。ああ、何を間違えて入れたのかしら、と、そのときにはまだえんじ色のシャツを入れたことには気づいていない。この水の色だと他の白っぽい洗濯物が赤く染まるかなあと覚悟して洗濯する。洗濯してすすいで脱水する。干す。ああ、ソフト洗いをするはずだったこのえんじ色のシャツをふつう洗いしたのか、くう。あら、でも他の皆さんは全然赤くなってないわ、よかったよかった、赤い色は出てもそんなに着色するわけではないのね。
そういえば少し前の洗濯のときにそんなことを思ったなあ、と思い出す。ということは、汗でにじんだえんじ色が白衣についてもおかしくない。でも他の洗濯物が赤く染まらなかったということは白衣についた赤い色も簡単に落ちるかな落ちるといいな、と思う。職場の先輩は「ロッカーの上の箱の中にまだ予備の白衣あるよ。落ちそうになかったらあんまり無理せず箱の中の白衣を使ったらいいよ」と言ってくれる。「ありがとうございます。無理せず漂白してみて、無理そうだったらそのときにはお願いします」と話す。
白衣は職場に出入りするクリーニング屋さんに洗濯してもらっているが、洗濯物の回収は週に一度なので、それよりも早く処置したいときは自宅に持ち帰って洗う。自宅の洗面台で白衣をぬらして石けんをつけてこすってみる。思ったよりも落ちない。それでは、と、洗濯機に白衣とぬるま湯を入れて酸素系漂白剤を溶かす。これで明日まで一晩置いてみましょう。
そして昨日、洗濯してすすいで脱水して白衣を広げる。わーい、きれいに落ちている。よかったー。ハンガーにつるしてサンルームに干す。除湿機の乾燥風をあててさらに扇風機の風をあてる。帰宅した夫に「洗濯の鬼としては迂闊であったが事なきを得た」と報告する。
今日乾いた白衣を見ると全体的に漂白されてスッキリ。洗濯の鬼満足。