4月28日朝

旅の記録を今回はどんなふうに書こうか思案中。これまでは出発から帰宅まで時系列に並べて書くことが多かったが、日付とだいたいの時間帯を記しつつも前後関係にこだわらず思いついた思い出したものから書いてみるのもいいかなあ、と思ってみたり。というようなことを考えつつ、出発前のおはなし。
例年は旅の一日目は道中の途中のどこかで一泊して二日目にとりあえずの目的地に着くようにしてきた。しかし今回は夫の第一目的である会津磐梯山登山のための天候を鑑みて、28日のうちに会津入りし29日の朝に夫は磐梯山へという計画にした。うちから会津まではほとんどの行程を高速道路で走行して6時間かなあ、7時間かなあ、という予想。
出発前に荷物を車に運ぶ支度をしながら夫に「そういえば車中で聞く音楽はひたすら清盛くんでいいかしら? 私はそれでいいというかそれがよくてそれが満足なんだけど、どうやらくんがもし飽きるようなら何か聞きたいものがあれば持って行ったらどうかな」と言う。
「え? いいん? おれが聞きたもの車の中で聞いても」
「聞いてみてもし私が苦痛な音じゃったら止めるけんだいじょうぶよ」
「えー、そーかー、でも、それなら、どれにしよーかなー。(しばらく自室でさがす)よし、これにする!」
「なになに、どれどれ」
ケツメイシ
「あ、ケツメイシと言えば」という言葉に続けて私は「以前沖縄の首里城に旅行したときにどうやらくんはケツメイシのアルバムジャケットと同じ背景で写真撮ろうと思ったのにカメラにフィルムが入ってないかなにかで写真を撮れなかった首里城でアルバムジャケットを撮影した人たちだよね」と言おうとしたのだが、夫は「そうそう、アルバイトに遅刻したり休んだりする人」と言う。
そういえば、ケツメイシのメンバーの人のひとりは薬剤師資格を持っていて彼はのじるしさん(関東地方在住の薬剤師さん)の以前の職場でアルバイトしていたことがありその当時遅刻や欠勤が多かったんだって、という話をしたことはあったが、そんな随分むかしの話を夫はよくおぼえてたものだなあ、と感心する。いや、私達が沖縄旅行をしたのも随分むかしといえばむかしではあるのだが。
夫は「彼も音楽活動で忙しかったんじゃろう」となぜか彼を擁護する発言をしながら荷物をまとめる。
「今のCDのうちどれが首里城の写真のぶんなん?」と訊くと夫は「全部」と答える。沖縄旅行当時に夫が持っていたCDの写真は首里城手前の坂道で撮影されたものだが、それ以降のCDもケツメイシのCDの写真はすべて首里城のどこかで撮影されたものなのだそうだ。
結局そのケツメイシのCD「ケツノポリス」4と5の2枚はどういうわけだか今回の旅の道中一度も夫のカバンから出てくることはなかった。