4月28日昼:北陸道から磐越道へ

我が家の駐車場を出て、まずは最寄りの銀行へ。旅の間の宿泊費食費は既に夫に託してあるが、それ以外に買いたい時に買いたいものを買うための資金を引き出して財布に入れる。銀行の向かいにあるローソンでおにぎりとお茶を買う。今日中に会津に余裕を持ってたどり着くには途中でお昼ごはん休憩を取るよりも車中でおにぎりを食べて昼食とするほうが先を急げる。夫が「コンビニおにぎりで一番おいしいのはローソンだ」と言う。山に行く時には必ずコンビニおにぎりを買って行く夫はいろんなコンビニのおにぎりを食べてみてローソンが群を抜いておいしいことがわかったのだと言う。夫が「おれのおすすめはこれ」という梅とちりめんじゃこを混ぜ込んだおにぎりと私が食べたかった昆布のおにぎりを買う。支払いはクオカード。クオカードの一枚はどこかでもらったもので、もう一枚は私が行った眼科定期検診でもらったもの。
天候は快晴。空気の湿気の状態のせいなのか遠くの山が近くに迫って見える。稜線がくっきり。北陸自動車道を北上すると白い山々がそびえる。立山連峰。この山々の姿はたまらなく見応えがあるが、このあたりを走行したからといっていつも見えるわけではなくくっきりはっきり見えるのはタイミング次第運次第。運良くタイミングよく山々が見えるたびに畏れおおい気持ちになる。そして「こんなお山が見えたらそりゃあ信仰しちゃうよなあ」と思う。
三月末日に我が家にやってきた新しい車での初の遠出。今回の車は暗くなると自動でライトを点灯し明るくなると自動で消灯する機能が付いている。北陸自動車道の朝日から26本続く長いトンネルの区間でこのライトの点灯消灯作業をしなくてよくなったことだけでも運転疲労が激減した。さらには振動が少なくなり腰背中への負担が減った。運転していても助手席に乗っていてもこれまでに比べると疲れ具合が少ない。何よりも私にとってラクなのはオートクルーズという機能。車の少ない北陸自動車道で例えば時速110kmで走行しましょう、と思ったとする。アクセルで110kmまで加速する。オートクルーズのボタンを押して「セット」する。するとアクセルを踏まなくてもそのまま時速110kmで走り続けてくれる。両足をそろえて座りハンドル操作に集中する。足にアクセルからの振動が伝わらないだけで足と脚の疲労が全然違う。追い越し車線や走行車線に移動するときにはウインカー作業も加わるが時速は110kmのままで加速も減速もしない。このオートクルーズで速度を設定しておけば、交通量が少ないからといってうっかりアクセルを踏み込みすぎて飛ばしすぎて捕まり罰金と減点になるという事態(これまで三度ほどある。そのため道端でパトカーに捕まっている車を見ると夫が「ほら、みそきちのオトモダチ」といちいち言う)の予防にもなる。
車中では延々平清盛を聴く。新しい車はエンジン音も走行音も静かでドッカンドッカンと鳴り響く打楽器がより鮮明に聞こえる。打楽器があまりに鮮明過ぎてナビゲーションシステムの案内音声が聞こえづらく感じる時にはオーディオの音量を下げる。
以前はナビゲーションで目的地を設定してからナビゲーションDVDを取り出して清盛CDをディスクドライブに入れて聞いていた。それでもそのまま目的地への案内はしてくれるのだが、案内をしてくれる人の声がいつもの人とは異なる「代理の人」になる。代理の人はいかにも代理の人で、一応案内はしてくれるのだが「なにぶん代理なものですから詳しいことはよくわかりませんがすんませんねえ」な案内になる。夫はこの人のことを「偽物の人」と呼ぶ。この「偽物の人」は声もだが喋り方がややぎこちない。今回はCDを今はなき(まだあるところにはある。我が家にもある)MDに録音したものをMDドライブに挿入しナビゲーションDVDは入れたままで走行することにした。すると音楽もいい具合に聞こえるが道案内も上手にしてもらえて我が家のナビゲーションシステムの実力がいかんなく発揮された様子であった。この清盛MDは私が日々通勤のときに繰り返し繰り返し何度も何度も聞いているもの。本当によく働いてくれている。
車中では助手席にいるときにそれぞれのおにぎりを食べる。ローソンのおにぎりおいしい。北陸道から磐越道に乗り換えてひたすら会津磐梯山を目指す。