風船収穫祭

フウセンカズラの風船は80個ほど収穫できただろうか。これでもう風船は終わりかなと思っても、残りの花から小さな風船が数個出てきては大きくなる。あらまあまだ風船になるのかしら、と思いつつ見守る。順調に大きくなる風船もいれば、小さいままで地面に落下する風船もいる。
何十個も採れた風船のうち十個は職場の同僚のところへもらわれて行った。「フウセンカズラの種要る?」と尋ねたら「ほしいほしい」ということだったので、透明なビニール袋に十個入れて職場に持って行った。同僚に持って帰ってもらうのを思い出しやすいようにタイムカードのそばのテーブルに置く。
もともと私にフウセンカズラの苗をくれた先輩が「なにそれ、なにそれ、揚げ菓子?」と言う。「いやいや、これはフウセンカズラの風船ではないですか」と言うと「あ、ほんとだ」と先輩の自宅にあるものと同じ風船であることに気づく。
残り七十個の風船にさらに追加で育ち茶色く乾いた風船を木でできたサラダボード(としては使わずに放置していた食器)に入れて卓上に飾っている。こうしてパソコンのキーボードを打ちながらちらちらと茶色い風船を眺めてはにんまりとほくそ笑む。