茗荷(みょうが)の揚げだし

夏野菜の揚げだし」のときには、材料に「小麦粉をまぶしてから揚げる」という手段をとっていたが、最近は、「素揚げしてからだしに浸ける」のが主流になっている。
そして「夏野菜の揚げだし」の頃には、あんなに大好物で食べていたピーマンやシシトウが、「食べると体調を崩す食材」の仲間入りを果たし中のため、あの美しい緑色と、つるりぐにょむにょしゃきしゃくん、とした食感と味の悦楽を、おとなしく手離している。
代わりに最近お気に入りとして活躍しているのは、茗荷。実家の母が、隣のおばちゃんちの敷地隅っこに自生している茗荷を大量に分けてもらっては送ってきてくれるから、それを洗って水を切って、ひたすら揚げて、だしに浸ける。茗荷は揚げだしにすると、確実に五個以上、調子が良ければ一度に十数個以上、もしかすると二十個くらい食べられる。
今回は、茗荷だけをひたすら揚げてだしに浸けた。冷蔵庫で一晩二晩ねかせてから食べてみたら、うっとりとおいしい。至福。
ちなみに夫は、「茗荷は揚げだしのものよりも、生のままで薄く切って、素麺なんかの薬味として少し食べるほうが好きかな。あ、でも、天ぷらは好き」と言う。