糠味噌(ぬかみそ)漬け

実家から送ってきてもらった茄子とキュウリを見ていたら、今年初めての「ぬか漬け作って食べたい欲」が湧いてきた。
例年ならば、六月末から七月上旬にかけてこの欲が湧き、七月八月と漬けては食べ漬けては食べを繰り返す。九月になるとキュウリは少し涼しすぎるような気がし始めて、漬ける内容が茄子と大根とニンジンに変わり、そうしているうちに、涼しさの中に寒さが混じるようになると、ぬか漬けがもうどうでもよくなってくる。
それが今年は、暑すぎたせいなのか、ぬか漬け欲がまったく湧かないまま、九月を迎えた。
作って食べたい、となったら、作って食べる。
冷蔵庫に残っていた「煎り糠(塩なども入っている)」をさまし湯で溶かしてぬか床を作る。ところが、作ってみたら、思っていたよりも量が少なくて、漬けものを漬けるには全然足りない。追加の煎り糠を買いに行くかなあ、どうしようかなあ、と考えて、そうだ、味噌がたくさんあるから、糠と味噌を混合して、糠味噌漬けにしてみたらどうだろう、と思いつく。
そういえば、「糠みそ臭い」という言い回しがあるけれど、あれは、糠と味噌を混合した漬けもの床のことを言うのだろうか。と考えていたら、夫が、「それはちがうじゃろ。糠のねろねろっとした感じが味噌の見た目と似てるから、糠みそって呼ぶだけなんじゃないか」と言う。
ぬか漬けはぬか漬けでいろんなお野菜を楽しんだ経験があり、味噌漬けは味噌漬けで、野菜や魚やお肉など、いろんなものを漬けて食べてみておいしかった。糠で漬けても味噌で漬けてもおいしかったものならば、糠と味噌の混合したもので漬けてもおいしいかもしれない。
というわけで、糠と味噌を約1:2の割合で混ぜて、そこにキュウリと茄子を漬けた。翌日引き上げて食べてみると、ぬか漬けと味噌漬けの間のような味のおいしい漬けものができていた。新しい炊飯器で炊いた白いご飯がおいしく進む。
しかし、味噌の塩分がやや強めにでるのか、これまでのぬか漬けに比べると、若干しょっぱく感じる。次回以降、今漬けているキュウリと茄子を切る前には、少しの間水に浸けて塩抜きをすることに。
そして今日、足し糠用の煎り糠(塩などは入っていない)を買ってきた。野菜の水分で水っぽくなった糠味噌床に足し糠を足して混ぜてやる。
しばらくの間、いろいろと、漬けては食べ漬けては食べを繰り返す。