カレイの干物と猫妖怪

今日は「カレイの干物が食べたい」日。ピンポイントで食べたいと感じるものがあるときは、だいたい体がそれの何かを求める日。たしか、冷凍庫に、カレイの干物があったはず。あった、あった。大きめのものが二枚と小さめのものが二枚ある。全部焼いて食べたいけれど、大きいのを二枚グリルに入れたらグリルがいっぱいになる。いったん、大きいのを焼いて食べてから、次の展開は考えよう。
カレイの干物と、ニンジンと卵のみそ汁と、混ぜ込みいなりご飯(ニンジンとレンコンと油揚げが具として入っている)で夕ごはんをいただきます。
いったん、ごちそうさま、をしてみるけど、やはり、まだ、カレイの干物が食べたい。夫に「私、まだ、追加で、カレイの干物焼いて食べるから、干物のお皿だけ残しておいてください」とお願いして、グリルに火をつける。小さなカレイの干物を二枚グリルで焼く。焼きあがったものを、今度は箸を使わずに、カレイの頭と尻尾を両手で持ってかぶりつく。
そうやって食べていたら、夫が戻ってきて「うわ、すごい。こいつ、ほんまに食べようるわ」と呆れたような感心したような声を出す。
「カレイの干物を食べたいな、と思ったときに、カレイの干物が冷凍庫にあってよかったね」という私に、夫が「猫妖怪」と言う。
「どうやらくん、今のは、私が話したことに対する応えや相槌になってないと思う」
「じゃあ。よかったね、猫妖怪」
なんとなく腑に落ちないけれど、カレイの干物で満足だから、気にしない。