妙高山と火打山

8月25日26日の土曜日日曜日を利用して、夫がひとりで行った山。
読み仮名は正しくはよく知らないが、夫は「みょうこうざん」と「ひうちやま」と呼ぶ。
土曜日の朝四時頃に自宅を出発して高速道路で登山口に着き、これまでの最長時間を歩いて宿で一泊。
宿の夕食はカレーライスとハヤシライス。どちらともセルフで好きなほうを器にとる。同時に両方とることも可能。おかわり自由であるが、カレーライスを食べ終えた夫が今度はハヤシライスでおかわりをしようとしたときには「すみません、ご飯がもうこれで最後なんです」と言われてハヤシライスのご飯は少なめだったけど結果的にその量でちょうどよかった、とのこと。
夫がここの宿を選んだのは、ひとりひとつのお布団を確保します、という確約があるから。そのぶん完全予約制なのが気軽さには欠けるが「布団の幅も長さも大きめでよく寝れた。一応二段ベッドで、上下四人ずつ壁に頭を向けて寝る。部屋は男女別ではないけど、女の人の隣に見知らぬおっさんがくることはないようにグループごとに場所を決めてあるかんじだったなあ」と、なかなか快適であったようす。消灯は八時だが夫は七時半に就寝したとのこと。「だって、することないんやもん」と夫は言う。
翌朝は大きな荷物は宿に置いて、飲料など必要最低限の荷物で出かける。宿で持たせてくれる弁当は真空パックの炊き込みご飯とお漬物と割り箸。炊き込みご飯は電子レンジで加熱し終えたものを渡され、開封するだけで食べられる状態。
途中で出会った別の登山者の人は同じ山にもう一軒別にある宿に泊まりそこの宿では「夕食がひどくて、小さな魚が三匹と里芋が二個だけだった」とかで、夫が先に言った「カレーライスとハヤシライスだけでした」という言葉に対して「そんなんめっちゃご馳走じゃないですかっ」と抗議。
夫は山に行くとピンバッジというものを購入してくる。金属製。
「こういうものはどういう会社が作ってるの?こういうの専門の会社があるんじゃろうか」
「たぶんほとんどこの会社が作ってるんじゃないかな」
「ええと、ローマ字で書いてあるのは、カツラ キショー?」
「キショウは記章」
「記念の記に校章の章じゃね。じゃあ、校章とか他にもいろんなものを作りようてん会社なんじゃろうか」
(夫がホームページ検索をする)
「うわ、おとなりの石川県の会社じゃ。校章とか社章とか旗もいろいろ作ってるなあ」
「じゃったら、いろんな山に行かんでも、そこの会社に百名山のピンバッジ全部買いに行ったらいいんじゃないん?」
「いや、そういう個人販売はしていません、とかあると思う」
ピンバッジは人によっては登山帽にびっしりと何十個もつけていることがあるらしいが、夫は重いから家で集めるだけにする、と、これまで登った山で購入したピンバッジをそのまま自宅に置いている。


夫が山に行っている間に、たまたま都合よく土曜日休日だった私はマンション備え付けのエアコンが壊れた(火曜日頃に異変に気づいた。つけないよりはつけたほうが一応涼しくはあるけれど、冷えているかどうかというとあんまり冷えていなくて送風なかんじになった)のを業者さんに修理に来てもらう予定を入れていたので、それをこなす。
業者さんはひと通りの点検後いったんガスを交換して様子を見るが、やはり冷えない。エアコン運転中に室外機がときどき停止するのがそもそもおかしい。これは来週になってからのメーカー対応になるという説明を聞き、では来週メーカーさんからの連絡を待ちます、ということに。
ところがしばらくしてから、ふたたびその業者さんから電話があり、不動産屋さんと相談した結果、修理ではなく新しいものと交換することになりました、とのこと。
設置はいつがいいですか、と問われるので、今日でも大丈夫なんでしょうか、と問い返すと、何時なら大丈夫です、ということで、ではその時間によろしくお願いします、と依頼。
新しいエアコンはこれまでよりも大型(広い部屋を冷やせる)の省エネタイプ。業者さんは「たぶん電気代も安くなると思いますよ」と言って設置してくれた。
新しいエアコンはちゃんとひんやりとした空気を室内に与えてくれる。


山から帰宅した夫を「見て見て。見て見て」とエアコンのところに招く。夫は「おお、修理できたんじゃ。ちゃんと冷えてるじゃん」と言う。
「ちがうよ。見て見て。ほらほら。エアコンのメーカーと銘柄がこれまでと違うでしょ」
「ええっ、もしかして新品と交換になったん?」
「そうなん。ここの不動産屋さんにしては脅威の早業でしょ」
「ほんまやなあ。珍しいなあ。どうしたんやろうか」
「よかったでしょ。エアコン修理の対応、私ひとりだったけど、お手柄でしょ」
「新品になるとはなあ、お手柄なのは業者さんだけど、みそきちもお手柄」
「うん、業者さんのお兄さんね、汗かきながら、でもすごく上手に取り外しと取り付けをしてくれちゃったんよ。それがお仕事とはいえほんとに上手でお手柄だと思った」
こうしてマンションの付属物ではあるけれど、我が家に三菱霧ヶ峰が新しく仲間入りした。これまでの日立のエアコンはこれまでの夏の激務に対する感謝を込めてお見送りした。エアコンには冬にも暖房として活躍してもらうが、こたつのある我が家では冬のエアコンは夏に比べると負担が少ない。
ようこそ、我が家へ、霧ヶ峰。これからどうぞよろしくね。