家族

姉への手紙 待ってる

お姉やん、お久しぶりです。上京の連絡ありがたう。急だったので驚いただよ。 お姉やんが東京に来たら、また一緒に暮らせるね。楽しみに待ってるじゃんね。 東京市京橋區銀座三丁目十八番地 電信 京橋局一六五三 かよより かよちゃんが製糸工場から送って来…

母への手紙 良いお年を

青い縁あり葉書 前畧、おか樣。 お元気ですか。花子は元氣でやっております。 富士山はもうすっかり雪化粧をして、美しいでせうね。 今度のお正月も甲府に歸れませんが、どうか、みなさまお身體を大切に、良いお年をお迎へください。ごきげんやう Thank you …

母への手紙 編入生

縁なし葉書 前畧。おかあ、ここのところ色々あって、お便りできなくてすみません。私は八つ年上の編入生とひょんなことから言葉を交はすやうになりました。伯爵のご令嬢ですが、どこか寂しさうな人です。勉強の方も、今年は本科最後の年なので、こぴつと頑張…

母への手紙 元気

青い縁あり葉書 甲府市阿母村字落合 安東ふじ樣 東京市麻生區櫻坂町八番地 私立修和女學校 安東花子 (朝市くん音読 はなちゃん直筆) おかあ おとう おじいやん あにやん かよ もも 元氣け。おらは元気です。毎日くったこともねえやうなごちそうをくって元氣…

母からの手紙 ホームシック

青い縁あり葉書 (ふじさん音読と朝市直筆) はな、お便りありがとね。おかあは字がわからんから、この返事は朝市に書えてもらいます。はな、ふんとに元氣にしてますか。はなはうんと辛抱強えボコだけんど、あんまし辛抱しすぎるじゃねえだよ。あんまし便りに…

母への手紙 落第

(朝市音読と花子直筆) おかあ、元氣け。おら、やつとこさ學校に馴れたけんど、あんまり元氣じゃねえ。人の心を傷つけちまつただ。言葉がわからんつて、おそろしいこんだ。ほのせいで、やさしいスコツト先生を傷つけちまつただよ。 (花子音読と直筆) 謝りてえ…

母への手紙 Thank you

青い縁あり葉書 (はなちゃん音読と直筆) おかあ、元氣け。今日おらがしゃべった英語が初めて通じただよ。スコット先生にごめんなさいがやっと言えただよ。(朝市くん音読、はなちゃん直筆) 学校にも残れるこんになっただよ。毎日毎日、朝から晩まで、英語の勉…

母からの手紙 クッキー

青い縁付きの葉書 はな。頑張って勉強してるけ。 こないだはクッキーとやらをごちそうさまでした。 こんなうめえもん見たこんも食ったこんもねえって、家中みんな大喜びだっただよ。 かよははなのクッキーを全部平げて元氣に製絲工場へ行きました。 きれいな…

母への手紙 櫻

縁なし葉書 甲府市阿母村字落合 安東ふじ樣 (花子音読) 前略。おかあ、お変わりありませんか。 こちらはいま校庭の桜が満開でそれはそれは美しいです。(朝市音読) かよと約束したとおり、私は主席を取れるように精進しています。 数学とお裁縫はどうしても苦…

姉への手紙 缶

青い縁ありの葉書東京市麻布區さくら坂町八番地 修和女學校 安東はな樣 安東かよ (かよちゃんの音読) おねえやん、勉強頑張ってるけ。おら製糸工場で毎日汗まみれになって働いてるだよ。朝から晩まで休みもなくて監督さんに怒鳴られてばっかしいるけんど、し…

バリウムとバナナ

夕食後、卓上のものを片付けるべきところに片付けていて、ふとなんとなく冷蔵庫の野菜室のバナナを見る。なんだかあんまりバナナが減っていない気がする。 「どうやらくん、そういえば、最近朝バナナを食べるまで至らないの? 食が細くなってるん?」 「ちがう…

テントごちそうさまでした

赤オクラを念願の「東京納豆」と混ぜて食べる。「東京納豆」は名前は「東京納豆」だが地元の会社が作って販売しているもの。この納豆は細長いパックに入っていて納豆以外の付属品(タレなど)がついていないのと大豆の味が私好み。納豆を買うつもりのときに売…

夕食と朝食は5時

昨日と今日で夫は木曽の御嶽山(おんたけさん)に行ってきた。 土曜日朝4時出発。高速道路と一般道路走行して8時過ぎに岐阜県側登山道入り口駐車場到着。既に車がたくさんとまっているがちょうど一台あいていたところにしゅるしゅるっと駐車する。 予定では先…

富士山で自由を求める

二年前の7月に夫は富士山に行った。そのときの行程がどんなものだったのか昨夜あらためて聞いた。 ツアーバスで高速道路を経由して富士山五合目まで乗り付ける。そこからガイドさんの誘導にしたがってツアーメンバーとともに歩く。ガイドさんはツアーメンバ…

ガネーシャじゃない

一昨日の夜。お風呂からあがって夫に「あ、今日はそういえばたぶんどうやらくんが好きなドラマがあるよ。私は明日が早いからもう寝るけど、どうやらくんは見たかったら見たらいいんじゃないかな」と伝える。夫が「なんのドラマ?」と聞き返す。 「えーとね、…

笠ヶ岳で歩く一般道

笠ヶ岳に夫が行ったとき、登山道に近い駐車場は既に満車で駐車できない。仕方なく離れたところにある第二駐車場というのか別の山の登山道入り口駐車場というのかそういうところに移動する。しかしその駐車場から笠ヶ岳登山道入り口までは他に交通手段がなく…

笠ヶ岳と国際電話

10月6日7日と一泊二日で夫が行った山。岐阜県の笠ヶ岳(かさがたけ)。日本百名山のひとつ。 山小屋には続々とお客さんがやってきて、宿の人からは「もしかすると今夜はお布団が二人で一枚になるかもしれませんが、そのときにはご協力よろしくお願いいたします…

黒部五郎岳弁当

朝五時頃から歩き始めて、一旦黒部五郎岳の山頂を経由して下山する。夫は黒部五郎岳カールでとある人に追い越される。 「カール」というのは山の一部が昔の氷河で削られてスプーンで削り取られたような地形になっている場所のことをいうらしい。すなっく菓子…

黒部五郎岳お布団

昨夜夫が無事に黒部五郎岳から帰ってきた。 予定通り金曜日の夜のうちに高速道路で富山県まで移動し、インターチェンジをおりてからはここと決めておいたコンビニエンスストアで夕食用幕の内弁当と朝食用おにぎりと山で食べる用のおにぎりと、野菜ジュース、…

黒部五郎岳用ガソリン

黒部五郎岳まで高速道路を走り現地で車中泊するために普段私が使っているETC付き普通車を使いたいと夫が言う。もちろんそのつもりでいたから、どうぞどうぞ、私の通勤にはどうやらくんの軽自動車を貸してね、と交渉成立。 夫がさらに「水曜日か木曜日のうち…

続黒部五郎岳作戦

夫に「黒部五郎岳に行く時に、林道ゲートの閉門に間に合うように行こうと思ったら、途中のサービスエリアで食事している暇はないのかな」と訊く。 「うーん。どうかなあ。なんで?」 「いやあ、翌日ハードに歩くこと考えたら、身体のためには、少しでもまと…

黒部五郎岳作戦

夫が近々予定している富山県の黒部五郎岳。くろべごろうだけ、と読む。 五郎は人名のように見えるが、もともとは、ゴロゴロとした石がたくさんある山のことを「ゴロ」と表現していたことによるもので、人名の五郎とは関係がない。 黒部五郎岳の近くには野口…

妙高山と火打山

8月25日26日の土曜日日曜日を利用して、夫がひとりで行った山。 読み仮名は正しくはよく知らないが、夫は「みょうこうざん」と「ひうちやま」と呼ぶ。 土曜日の朝四時頃に自宅を出発して高速道路で登山口に着き、これまでの最長時間を歩いて宿で一泊。 宿の…

うるしの王子様

先週の土曜日に山歩きをした夫だが、どうもそのときに手と顔の一部が漆の枝に触れたらしく、そして漆に触れた腕と手の汗を拭いたタオルでお腹の汗を拭いたらしく、左手の甲と左腕と右腕と腹部と右目周辺が漆かぶれになった。 日曜日に大阪出張に出かけた時の…

かっこいい三ノ峰

本日の夫の山は「三ノ峰(さんのみね)」。 三ノ峰の山頂は地図上は石川県らしいけれど、夫は福井県側の登り口から頂上を目指し山頂からは登ったのと同じ山道を下山する。 出勤の準備をする私に夫が「いってきます」と言って出かけたのが朝七時頃。いつもな…

筋肉増強タイツの試着

筋肉増強タイツを一度試着してみたいな、と思ったから、夫が山用品屋さんに行く時には一緒に連れて行ってほしいと頼む。すると買いたいものがあるから今日行くと言う。では、ご一緒に、とともに出かける。連れていってほしいと言ったけれど、車を運転するの…

仁王立ちになった嫁はそして修験道をゆく

旅記録の途中だけれど、思い出したことがあるので、そのことを記録しておく。旅記録を書いていると、夫の脳内反抗期妖怪の活躍ぶりがめざましいことにあらためて気づく。かの妖怪の活躍は、旅の時に限ったことではなく、日常生活のここかしこでなされる。 わ…

白桃の気づき

七月十五日は私の誕生日で、七月十六日は甥っ子(弟の息子)の誕生日だ。 七月十五日の夕食後に、夫が白桃を剥いてくれた。この白桃は、岡山のおいしい白桃で、弟がお中元に送ってきてくれたもの。夫も私も白桃は大好物なのだけど、数年前から夫は、桃をはじ…

バースデーちゃんこ

私の誕生日にはまだ、十日以上早いのだけど、昨日、夫が「ちょっと早い誕生日祝いに。」と、サンダルを買ってくれた後、夕食に「ちゃんこ屋」へと招待してくれた。ちゃんこが食べたい気分だったらしい。ちゃんこ鍋と飲み物以外の単品が全品300円の新メニュー…

サンダル

ここ数年、夫がとある靴会社の株主になって以来、7月の私の誕生日プレゼントに、サンダルを買ってくれる。株主優待のお買い物券がこの時期に送られてきて、それを使って買ってくれる。今年のサンダルのイメージは「クレオパトラ」(私が勝手に持ってるイメー…