母への手紙 櫻

縁なし葉書
甲府市阿母村字落合 安東ふじ樣


(花子音読)
前略。おかあ、お変わりありませんか。
こちらはいま校庭の桜が満開でそれはそれは美しいです。

(朝市音読)
かよと約束したとおり、私は主席を取れるように精進しています。
数学とお裁縫はどうしても苦手ですが、英語の勉強はやればやるほど楽しくなります。
もうじき田起こしですね。おじいやんに無理して腰を痛めんように伝えてくれちゃあ。
おかあもお体大切に。
Thank you.      花子

(花子音読)
追伸、朝市、勉強続けてるけ。
私も頑張るから朝市もこぴっと頑張れし。


(花子直筆)
前畧。おかあ、お變りありませんか。
こちらは今校庭の櫻が満開でそれはそれは美しいです。
おかあやおじいやんやみんなと一緒にお花見ができたらなあと、毎年この季節になると思います。
かよと約束したとおり、私は主席を取れるやうに精進してゐます。
數學とお裁縫はどうしても苦手ですが、英語の勉強は、やればやるほど樂しくなります。
もうじき田おこしですね。おじいやんに無理して腰を痛めんやうに傳えてくれちゃあ。
おかあもお身體を大切に。
Thank you.      花子

追伸・朝市、勉強續けてるけ
私も頑張るから朝市もこぴつと頑張れし


直筆のほうには「家族と花見ができたら」という文が見られるが、音読のほうにはその文はない。