呼称と構成比

テレビ番組に登場したテンプラキッズ(TEMPURA KIDZ)というダンサーさんたちを見たとき、解説のアナウンスが「彼らはなんとかかんとか」と説明する。夫が「彼ら?」とけげんそうに言う。
「何か問題でもあるかしら?」
「今『彼ら』って言った」
「うん。『彼ら』って言ったね」
「踊ってるの全員女の子やろ?」
「ああ、それはちがう。中央の子は男の子だよ」
「ええっ、そうなんや、それは知らんかった。ずっと全員女子と思ってた」
夫とこの会話をしたときには、メンバーの中に男の子もいるのであれば呼び名は「彼女ら」ではなく「彼ら」のほうが自然に感じるな、という程度の感想で終わった。
しかしその後よくよく考えてみて、おや、そういえばなんでなんだろう、と思う。
5人のうち4人が女性で男性が一人いる団体は「彼女ら」ではなく「彼ら」。
では5人のうち4人が男性で女性が一人いる団体のことはどう呼ぶのかな、やはり「彼女ら」ではなくて「彼ら」のような気がする。
「彼女ら」と言うときにはその人物集団の全員が女性であることを意味するが、「彼ら」と言うときにはそこにいる複数人の中には「男性も」いますよ男女の構成比については明言いたしませんが、という意味合いに変わるのかな。